ねこのめ

ねこのめみたいにくるくる回る日常の出来事

憂鬱の種。

6月下旬に、近所のおじさんから

朝の5時に電話が着た。
これだけでも、すでに非常識。


話の内容は無理難題を僕に押し付けるものだった。

「自分が四日間入院するので、その間 寝たきりの奥さんの面倒をみてほしい」

介護だ

近所付き合いしてるというだけの
赤の他人に奥さんのシモの世話、ご飯作り、色々させようとしている
僕は何度か、この奥さんの車椅子を押して病院まで付き添ったことがあるが
脳梗塞を2回やっていて、本当に移動も、意思疎通も大変なのだ。

それに夜中は?トイレ介助は?
もし介護ベッドから転がり落ちちゃったら誰がそれに気付くの?
ずっと付きっ切りで居なきゃいけないの?

ご飯食べさせたりするとなると
犬や猫を預かるのとは違う・・・・

もし食べ物を誤嚥して肺炎を起こしたら・・・
おじさんは、笑いながら「何かあったら救急車呼べばいいべ」と言う

正直、腹が立った
そんなの自分の息子、娘に頼め
いくら遠くに住んでいようが呼べ、呼び戻せ。

それか、本職の介護か病院に頼んで・・・

そりゃあさ、出来ることなら協力してあげたいよ?気持ちはあっても
もう娘も居ないし体力的にも、精神的にも無理って自分でわかるよ

おじさんも入院するのに不安だろうし
お金もいくら掛かるかわからんから
僕にお願いしてるのよね?

でも、まっかせなさーい!!なんて言えるものではないよ

人の命を預かるなんて、とても僕には無理。


僕は断った。


だが、もう一人狙われた人がいた
そのおじさんと同年代くらいの、おばさん(おばあちゃんと言ってもいいだろう)
断れず、僕に泣きついてきた。

「おじさんがね、お姉ちゃん(僕のこと)にも一応声掛けといたからよ
 何かあったら手伝ってもらえ〜って言ってたから、私一人じゃ怖くて怖くて・・・」


は?

は??

僕、断ったはずなんですけど。



頭にはきたけど
この、おばさんを見捨てるわけにもいかず

手を握って、目をじっと見つめながら
「もうだめだよ?これから先ずっと甘えられるからね?断らなきゃだめだよ?」

僕の倍の年齢の方に、子どもに言い聞かせるように伝えた。

かくして
精神安定剤を飲みながら日々をやり過ごす
僕とおばさんの、四日間のハラハラドキドキの地獄の介護が始まった
おばさんもNOと言えないくらい弱弱しい人で
今回ターゲットにされた。

結局、おじさんが私たちへ置いていったお金は0円で
彼氏への旅行を控えていた僕には手痛い出費になった。



タイトルにした「憂鬱の種」は
この卑怯なおじさんの事ではなく
介護させられた奥さんのことでもなく

実は、一緒に介護中助け合ったおばさんのことである。

前々から、狙われてはいたのだけど(話し相手として)
今回の介護で、どうしても電話番号を交換しなくてはいけなくて
電話番号を教えてしまったので、最近毎日掛かってくる(出ないけど)

会いたがる
腕を引いて部屋に連れていきたがる
僕の部屋にずかずか入ってくる
お喋りしたがる


辛い、本当に辛い、大体僕は対人恐怖症なんだ
あの期間どれだけ苦しんで我慢したと思っているんだ
年配の方に、病気の話をしても なかなか通じない

「そんなの、世の中みんなそうだわ」
「病は気から〜」
「わたしも同じよ〜」


電話攻撃が辛すぎて、ミュートにするんだけど
それだと、家族からの電話にも気付けなかったし
アラーム鳴ってるのも気付かなかった

私生活に支障でまくり
着信拒否でいいよね、もう・・・・