マングース。
動物一般に、敵
(直截に自分の存在を脅かすものというだけでなく、
何だか訳のわからないもの=自分に何の影響があるかわからないものはすべて)に出会うと、
まず逃げようとします。
命が惜しいからです。
ところが、不幸にして逃げるだけの時間も距離もないときは、
仕方がないので全力で立ち向かい、闘います。
(たまにニュースで聞く、人間と熊の悲劇もほとんどがこれです。)
マングースは、原産地のインドでは、普段はネズミや鳥、虫など自分より小さい生き物を捕まえて食べています。
しかし食欲旺盛な生き物で、場合によっては
自分より大きいコブラすら食べることもあるので、それを知った学者が
ハブの害に悩んでいた方たちに秘密兵器として紹介、鳴り物入りで導入されたのが
「ハブとマングース」の始まりです。
ハブに悩んでいた方たちの期待に応え、見事にハブを退治!…となればよかったのですが、
連れてこられたマングースにしてみたら、本来のエサに近い農家の庭先のニワトリやら
森の中に住む(今まで天敵がいなかったからのんびりしていた)ウサギやら
クイナやらを集中して食べてしまいました。
だって、毒があってこっちの命が危ないような相手に
何も好きこのんで立ち向かわなくても、おいしくて簡単に手に入る獲物がいっぱいいるのですから。
今、特別天然記念物になっているような生き物たちです。
(ですので、今地元では必死になってマングースの駆除に努力しています。)
…というわけで、自然に放されたマングースは好んでハブには向かっていきません。
人間が用意した「逃げるだけの時間も距離もない」状況で、仕方なく闘っているのです。
ショーでの勝率も五分五分だそうですね。