ねこのめ

ねこのめみたいにくるくる回る日常の出来事

やどかりの「やど」

猪俣あきさん

やどかりに、私の作った「やど」を渡し、やどかりが気に入れば「やど」として背負ってもらう作品。





この作品は、フランス大使館での展覧会「ノーマンズランド」への出展を期に、スタートした。


旧在日フランス大使館の建物は2009年に解体、隣接する土地に新しい大使館が建てられた。
”旧”在日フランス大使館の土地は、2009年10月まで「フランス」だったが
以後50年間「日本」になり、その後また「フランス」になるという。


この話に衝撃を受け、やどかりの「やど」を引っ越しする習性へと飛躍した。


同じ土地であるにもかかわらず、平和に国が入れ変わっている事実。


中身は同じでありながら、背負う「やど」によって、すっかり見た目が変わってしまう「やどかり」は
私が渡した、様々な国の建物を模した「やど」を次々と引っ越ししていくことで
国境を軽々と越えていくようにも見える。