トウモロコシ娘 [Corn Maiden]
インディアンの主食である”トウモロコシ”を象ったフェッティシュ。
生命を産むものを象徴しています。
子宝に恵まれる願いを叶えてくれたり、命を守るお守りとしています。
とても人気のあるお守りである。
ブルー・コーンメイデンはコーンメイデンの姉妹の中で一番のべっぴんだった。
プエブロの人々は、彼女と、彼女が一年中与えてくれる、ブルーのコーンをこよなく愛した。
ブルー・コーンメイデンは美しいだけでなく、優しくて温厚な心の持ち主だった。
彼女はプエブロの人々に幸せと平穏を与えてくれた。
ある寒い冬の日、ブルー・コーンメイデンは薪を集めるために外へ出た。
普段彼女は薪を集めることはしなかった。
アドービから出る時、彼女は冬のカチーナと会った。
冬のカチーナとは、大地に冬を運んでくる精霊だ。
彼は青と白のマスクをかぶり、息を吐いて冷たい風を起した。
彼はブルー・コーンメイデンを一目見て、恋に落ちてしまった。
冬のカチーナはブルー・コーンメイデンを家に招いた。
彼はブルー・コーンメイデンを家に入れ、窓を氷で、入り口を雪で覆い、閉じ込めてしまった。
彼はブルー・コーンメイデンに優しくし、とても愛したが、彼女は彼と共に暮らすのが悲しかった。
彼女は自分の家に戻ってプエブロの人々のためにブルーコーンを育てたかったのだ。
ある日、冬のカチーナは外へ出て、大地に冷たい風を吹かせ、メーサや谷に雪を降らせていた。
彼が出ている間に、ブルー・コーンメイデンは入り口の雪を押しのけて、夏に育つ植物や食べ物を捜しに行った。
氷と雪の下に、彼女が見つけたものは4本のユッカの花だけだった。
彼女はユッカの花を冬のカチーナの家に持ち帰り、火をつけた。
冬のカチーナは、自分が家に居るときに火を使うことを禁じていた。
火が燃え始めると入り口の雪は消え、夏のカチーナが入ってきた。
夏のカチーナは一方の手に新鮮なコーンを、もう一方の手には沢山のユッカの花を持っていた。
彼は、友人であるブルー・コーンメイデンの元へやってきた。
丁度その時、冬のカチーナが風の轟音と共に嵐のように入ってきた。
冬のカチーナは右手に氷柱を持っており、それはあたかもフリントナイフを握っているかのようだった。
そして左手には氷の玉を持っており、あたかも手斧を振るうかのようだった。
冬のカチーナは夏のカチーナに戦いを挑んだ。
冬のカチーナが冷たい風を吹くと、夏のカチーナは暖かいそよ風を吹いた。
冬のカチーナが氷柱のナイフを振るうと、夏のカチーナはユッカの葉を挙げた。
それらは燃え上がり、氷柱を溶かした。
冬のカチーナは、夏のカチーナとは戦うべきではなく
和平を結ぶべきだと見て取り、二人はすわって話し始めた。
話し合いの結果、ブルー・コーンメイデンは
一年の半分、つまり夏のカチーナの居る間はプエブロの人々と共に暮らし
彼らにブルーのコーンを与えることにし
残りの半年は冬のカチーナと共に暮らし、人々にコーンを与えないことに決まった。
ブルー・コーンメイデンは夏のカチーナと共に行った。
ブルー・コーンメイデンは春のシンボルとなり、人々は彼女の到来を心待ちにするようになった。
時々、すでに春になっているのに、突然北風が吹いたり
時期はずれの雪が降ったりするのは、半年間もブルー・コーンメイデンを諦めなければならなくなった
冬のカチーナが、不満を示すためにやっているのだ。