Kitten Can't Let Go Of His Dead Father, Kneading Him Until He Wakes Up (Part 1) | Animal in Crisis
死んだオス猫に寄り添って離れない子猫
韓国の暗く狭い路地裏で、ほとんど1日中鳴き続けている子猫に気付いたのは、近所の住民たちだった。
路地裏から動こうとしない子猫は、人間が近付くと怖がって逃げた。しかし再び同じ場所に戻り、また鳴き続けた。
心配した住民らが路地裏に入り様子をうかがうと、佇んだ子猫のそばに成猫の亡骸があるのを発見した。
その猫は、死後2,3日経っているようだった。
子猫は、死んだ猫の傍に座ったり寝そべったりして鳴き続けた。まるで「目を覚ましてと言うように、猫の体を舐めたり頭をもたせかけたりして甘える仕草も見せた。
日中、時々子猫は亡骸の傍を離れて別の路地へ行き、トレイに溜まった雨水を飲み、喉の渇きを潤した。しかしそれ以外はまた元の場所へ戻り、ずっと死んだ猫の傍にい続けた。
住民たちは子猫が鳴き止まず、目から涙があふれているように見えて心を痛めた。
死んだ猫は子猫の親代わりだった
子猫と死んだ猫にはどんな関係があったのだろうか。近所住民らによると、2匹は互いに野良猫で、路上で知り合ったということだ。
他の野良猫たちにいじめられ攻撃されていた子猫を救ったのが、死んだオス猫だったという。
子猫がいじめられているたびに、そのオス猫は子猫を助け出した。やがて、オス猫は子猫の保護者代わりとなったそうだ。
近所住民らは、過去にこのオス猫には赤ちゃんの猫がいたのを知っていた。しかし、その赤ちゃん猫は事故で亡くなってしまった。
野良の子猫を見た時、オス猫は自分の亡くした子猫の姿を見たのかもしれない。そして子猫にとっても、オス猫はヒーローであり父親のような存在だったのだろう。それ以降、2匹はいつも一緒に行動し、食べ物を探し、寄り添って暮らしていたようだ。
しかし、オス猫が死ぬという悲劇が突然やって来たのだ。
オス猫は腫瘍を患い臓器不全で死んだことが判明
近所住民らが見守る中、子猫は悲痛な鳴き声をあげオス猫の傍に寄り添い続けた。しかし、亡骸は日に日に腐敗していく。臭いを放つようになり、住民らは限界を感じて地元獣医院に連絡した。
獣医師が路地裏に駆け付けた時、やはり子猫は怯えて逃げていった。獣医師が、痩せ細った亡骸を病院へ運び検査したところ、猫の肝臓と肺に腫瘍があり、腎臓が機能不全になっていたことがわかった。
おそらく、毎日耐え難いほどの激しい痛みを抱えながら過ごしていたことでしょう。
それでも、オス猫は息を引き取る間際まで子猫を守り続けた。亡骸があった場所に戻って来た子猫は、オス猫の姿を探して鳴き続けた。
救助チームは子猫を保護しようと、亡骸があった場所にオス猫の匂いがついた毛布を入れて、子猫がそこに入るのをひたすら待った。
何時間も経ってから、ようやく子猫の保護に成功。
獣医師は、子猫が死んだ猫を舐め続けていたことから、感染症などの健康問題を心配していたが、検査の結果特に問題がないことがわかりホッとしたようだ。
オス猫に最後の別れをした子猫
獣医院での検査後、獣医師はオス猫の亡骸を子猫に見せ、最後の別れの時間を持たせてやった。
近所の住民のひとりに抱かれていた子猫は、オス猫が運ばれる前はずっと小さく鳴き続けていたが、オス猫の亡骸を目にすると鳴くのをピタリと止め、食い入るようにオス猫を見つめた。
その姿は、まるでそれが最後の別れであることを悟っているかのようだった。
このオス猫が、最後の最後まで自分を守り続けてくれたことを、子猫はきっと知っていたのだろう。死骸の傍をずっと離れようとしなかったのは、オス猫に対する恩返しのつもりだったのかもしれない。